当院では、アトピー性皮膚炎の症状が中等症以上の方に対して、デュピクセント治療を行っております。
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の症状に対して、高い改善効果が示されており、従来の治療方法では十分な効果が得られなかった患者様にとって、新たな治療の選択肢として期待されています。
デュピクセントとは
デュピクセントは、皮膚の炎症やバリア機能の低下をもたらす「IL-4」と「IL-13」と呼ばれる物質の働きを阻害することで、アトピー性皮膚炎の根本原因である炎症を抑えます。
従来、アトピー性皮膚炎の治療では、炎症反応が起こった部分に対して塗り薬などで抑えておりましたが、デュピクセントでは、炎症を引き起こす根本原因を抑えることが可能となっております。
デュピクセント治療の対象者
従来の治療法で十分な効果が得られなかった方が治療の対象となります。
一方で、デュピクセントに含まれる成分に対してアレルギー反応を起こしたことがある方は投与ができません。
治療を希望する場合は、医師に相談し、自身の症状や体質が適しているかどうかを確認しましょう。
治療の流れ
診察
まずは、症状の確認を行い、デュピクセント治療が可能か判断いたします。
過去の治療歴も重要となります。
もし、これまでに他院でデュピクセント治療を受けた方は紹介状か治療経過が分かるものを必ずご持参ください。
受診(2回目)
デュピクセントは、「皮下注射」という方法で注射します。
1本の注射に300mg含まれており、初回のみ2本600mgを注射します。
なお、この際に看護師から指導を受けていただき、一緒に注射を行います。
受診(3回目)
初回の注射以降は、2種間に一度注射を行っていきます。
看護師から指導を受け、2回目の注射はご自身で行っていただきます。
受診(4回目)
皮膚症状や副作用の有無を確認し、問題がないようであれば、自己注射へと切り替えていきます。
次回の来院日を決めて頂き、その分の注射薬を処方いたします。
最大3ヶ月分までの処方が可能となっておりますので、3か月毎の受診で治療を継続することが可能です。
自己注射について
3回目以降の接種については、薬局にて注射薬を受け取り、ご自宅での自己注射への切り替えが可能となっております。
なお、2回目の接種までは、クリニックにて注射と看護師による指導を受けて頂く必要がございますので、あらかじめご了承ください。
費用のご案内
3割負担 | 1割負担 | |
---|---|---|
初回(2本) | 37,028円 | 12,343円 |
2回目以降(1本) | 18,514円 | 6,171円 |
※高額療養費制度の利用により、自己負担額が軽減できる場合がございます。制度内容や手続きの詳細につきましては、お手持ちの健康保険証に記載がある保険者までご確認ください。
よくある質問
デュピクセント治療はどのくらい継続するのでしょうか?
患者様によって異なりますが、接種開始から遅くとも3ヶ月頃には明らかな改善がみられる方が多いです。
接種の継続については、患者様の状況を診ながら判断させていただきます。
注射を途中でやめても良いのでしょうか?
中止すると徐々に再燃する方もいらっしゃいますので、経過をみながら判断させていただきます。
まずは、6カ月程度は継続していただくことをおすすめしています。
小児は何歳から接種可能ですか?
2023年9月より、生後6か月以上から治療が可能となりました。
成人と同様に、高い効果が認められています。
ただ、注射の痛みが伴うこと、2週間もしくは4週間ごとの接種となり、心理的負担が大きく、デュピクセント治療が適さないということもありますので、飲み薬、塗り薬で効果不十分なお子さん、ご両親は医師にご相談ください。
自己注射が不安です。
患者様が安心して自己注射ができるようになるまで丁寧に指導いたします。
自己注射が難しいという方につきましても、クリニックでの接種も可能となっております。